コスモス


……………

あれから僕は、考えているようで考えていなかった。

考えなきゃいけない。
でも考えたくない。
理解しなきゃいけない。
でも認めたくない。

そんな気持ちが交錯していた。


そんな僕の前に明日可が現れたのは、ミキから話を聞いてから2日後だった。








…「久しぶり」

朝の下駄箱で、明日可に会った。
この笑顔を見るのは何日ぶりだろう。

そんなことをぼんやりと思いながら、僕は何も言えずにいた。

沈黙が、痛い。


「ホームルーム、サボらない?」


沈黙を打ち破ったのは、明日可の明るい一言だった。
落ち着いている明日可の笑顔。


嫌な胸騒ぎを抱えた僕の後ろで、朝のチャイムが鳴り響いていた。












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