コスモス
……………
来たのはカズだけじゃなく、ミキも一緒だった。
2人は僕の部屋の机に向かい合って座る。
僕はベッドの上に座り、壁にもたれかかっていた。
2人が来た理由も大体わかっている。
だから僕からは、敢えて口を開かなかった。
「…今日、明日可が学校に来たはずなんだけど…」
明日可のことだ。
「授業出ないで、帰っちゃって…。カズ君に聞いたら、須川君も来てないって言うから、何か知ってるかなって…」
「瀬堂と…何かあった?」
ミキに続いて、カズが口を開く。
そんなの、俺に聞くなよ。
「…ああ」
ぶっきらぼうに答えた。
「何が…」
「ふられたんだよ」
部屋の空気が、変わるのがわかった。
「俺じゃなくてもよかったんだってさ。今までありがとうって言われちゃったよ」
乾いた笑いが口をつく。
自分で言っておきながら、胸がくっと痛む。
「お前…それ、本気で捉えてないよな」
カズが、真剣な口調で言った。
「…どう捉えろって言うの?」
投げ捨てるように、僕が呟く。
「そんなの瀬堂が本気で言うわけないだろ!?瀬堂は…」
「言われたのは俺なんだよっ!!」
僕の声が部屋に響く。
ミキの肩が、ビクッと震えたのがわかった。