終ワラナイモノ①
『え?よくわかんないよ…』





「拓海に少しでも莉奈を恋愛対象として見る目があれば、ヤキモチ妬いて振り向いてくれるかもよ?」




拓弥は不敵な笑みを浮かべてそう言った。





―…なんだびっくりした。

本気で付き合うワケじゃないんだ。

でも、拓弥を利用するのはヤだ。





『そこまでしなくても…』




あたしは返事を濁す。






「別に二人を応援したいんじゃない。ただ、莉奈の落ち込んでる顔を見たくないってだけ。あと俺もあの女気に入らないし」






拓弥が険しい顔で路地を睨む。






そしてまたいつもの顔に戻って、あたしに視線を向ける。




「悪くない話だと思うよ?」
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