らっく!!
「じゃあね“高梨さん”」
白石はそう言って床に倒れる私を残し、他の2人を連れて出て行った。
「誰かに喋ったらバラす―…」
…最後に念を押すのを忘れずに。
残された私はしばらく起き上がることもできなかった。
精神的なショックが大き過ぎた。
私…なんてバカなんだろう…っ…!!
あんな人のいいように扱われてっ!!
愁を失って―…。
紘一さんも失うかもしれないなんて…っ…!!
だからといって裏切ることもできない。
自分がとても中途半端に思える。
ホントにバカだ…。
「ハハッ…」
床に寝転がりながら思わず渇いた笑いが洩れた。
神様は残酷だね?
幸せなんてくれないんだね―…。
私の心は三日月のように満ちることはないのかな。
左手をそっと目の前にかざした。
捨てるに捨てられなくまだそこには指輪がはまっている。
そっと唇に当てる。
…愁がしてくれたみたいに。
いつか…。
いつか満たされる日が来るように祈りをこめた―…。