らっく!!
「紘一さん!!ちょっと!!」
車を降りると私は紘一さんの腕を引いて手近な部屋に駆け込んだ。
「美弦?」
扉を後ろ手に閉める。
目を丸める紘一さんに一言はっきりと告げた。
「大原さんを誤魔化すの手伝って!!」
「はい?」
「だーかーらー!!大原さんには私が紘一さんの隠し子だってことも何も話してないの!!」
「あー…そうなんだ~」
ホントに分かってるの…?
私達の関係がバレるかバレないかの瀬戸際なんだよ!?
「平気だと思うけどね~?」
紘一さんは腕を組んでクスクスと笑いを洩らした。
「もう!!紘一さんは楽観的に考えすぎだよ!!学校にも迎えに来ちゃうし…!!」
「じゃあ聞くけど、大原さんは他人に人の秘密を言いふらすような人?」
顔を覗きこまれ、ぐっと押し黙る。
「それは…わかんないけど…」
大原さんは悪い人ではない。それは私にもわかる。
でも用心に越したことはない。
「まあ、とりあえずは美弦の言う通りにしておくよ」
紘一さんは少年のような悪戯な表情を浮かべ、ヒラヒラと手を振り部屋から出て行った―…。