らっく!!


「迂闊…だったわ…」


大原さんは紘一さんには目もくれず、ツカツカと私の前までやってきた。


「それで…」


バンッとテーブルに手をつく。


「あんたは一体何者?」


今度こそ逃げられない―…。


この期に及んで言い訳や誤魔化しは効かない。


言わないと…っ…。


でも…でも…っ…!!


私は両目をぎゅっと瞑った。


「ちょっと!!あんまりいじめないでくれる?俺の可愛い娘なんだから」


紘一さん…?


紘一さんは私を大原さんから守るように横から抱きついた。


「…娘…!?」


「そう!!ただの知り合いなんかじゃない。美弦は俺のむ・す・め!!」


紘一さんは今度は私の頭をナデナデ…。


唇をワナワナと震わせる大原さんが発したのはこの言葉だった。








「うそでしょ――――!?」







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