らっく!!
「私、部屋に戻りますね」
軽くお辞儀をして立ち上がりドアを目指す。
「は…!?えっ…?!ちょっと待ってよ!!」
「美弦!?」
愁先輩と紘一さんの声なんて聞こえなかった。
リビングを出た私は真っ直ぐ自分の部屋を目指した。
目からは自然と涙が溢れてきた。
それを拭いながら長い廊下をひたすら歩く。
惨めだった。
あんなにも浮かれていた自分が惨めだった。
「待てってっ!!」
私の意思とは逆に体がガクンと後ろに傾いた。
「歩くの早過ぎだから…!!」
先輩は肩で息をしながら私の手首を掴んでいた。
「なんでもないですから…。戻ってください」
嘘…。
自分がなんでこんなにイライラしてるのかわからない。
もう放っておいてよ…っ…!!
「泣いてたくせに…」
先輩は私の赤い目を見てそう言った。
「…っ…!!」
先輩の視線が痛くて顔を逸らす。
見られたくなくて逃げたのに意味ないじゃん…。