彼の隣に生まれついたのは、偶然じゃなく必然だった


「おはよーございます。」

何時もの資料でごったがえしてる汚い机の集まる事務所じゃなく、会議室のドアを開ける。

スタッフが数人、挨拶をしてくれる。

何時もお願いする顔なじみの撮影クルーに混ざって、数人知らない顔がある。

モデル側の人たち。

つまり祐輔の事務所の人とか、スタイリストとか。

つい祐輔の姿を探してしまう。

良かった、まだ来てないみたい…

「杏里、おはよ。大丈夫?」

咲が少し遠慮がちに声をかけてくる。

「大丈夫って何が?」

笑ってそう言ったのに

「ん、何か何時もより緊張してるっぽいからさ。」

そう咲に言われて、ドキッとする。

あたし、緊張してる…?


< 21 / 111 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop