彼の隣に生まれついたのは、偶然じゃなく必然だった


「昔ね、高校の時。スタバが初めてあたしの街に出来てさー。もう超すごかったんだよ、行列が!祐輔は途中でブチぎれるし、もう最悪でね(笑)」

自然とあの時の祐輔を思い出して、笑ってしまう。

「あ、ごめん。こんな話、つまんないよね?」

「ううん、むしろ嬉しいよ。」

優斗君が笑顔でそう言うから。

「え?何で?」

思わずびっくりしてしまう。

「だって、祐輔君との話、初めてしてくれた。笑って自然に話せるって、それって、少しは楽になったってことでしょ?」

「あ…」


「幼なじみだったんだし、杏里ちゃんの人生の3/4は、彼と過ごした時間なワケで。思い出さない方がおかしいと思うから。気にしないよ、大丈夫。まぁ少し嫉妬はしちゃうけど。」

そう言って、いたずらっぽく笑う彼は。

あたしより年下なのに

ずっとずっと大人で。


その優しさが、すごく嬉しい…



「ありがとう。」

そう言って

コーヒーを持ってない方の手で、優斗君の手をそっと握る。

優斗君も、あたしの手をぎゅっと握り返してくれる。


手をつないで、駐車場まで戻る。




なんだか、幸せだなぁ。



そう、感じた。



・・・・・・
・・・












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