先輩と私。
◎ デート
「おはよー」
「あああ桜! 大丈夫だったの!?」
あれから私は、もうバイトしようとは思わない…。
すべての事情を知っているミサは、私が教室に入った瞬間、
私の足元にすがりついてきた…。
ど、どしたの!?
「ほんっと心配したんだから! 先輩のおかげだったんでしょ?」
「そうなのっ。 すごく危なくて…! 先輩いなかったら私今頃この学校にいなかったかも…!」
「そんな怖いこと言わないでよ~…。 それで、あのワンピースは諦めたわけね」
「うん。 先輩言ってくれたから…、ワンピースとかよりも、私は私のままでいいって!」
「へぇ~…、意外と大胆なコト言うんだねー?」
「へへっ」
すっかりノロケる私に、ミサも「仕方ないね」と少し呆れて笑う。
私は席について、授業の準備を始める。
そこに、クラスメイトの女の子が私のところに駆け寄ってきて、
「山本さんっ! 高等部の先輩が来てるよ!」
と、ものすごい勢いで言ってきた。
それもそう…。
中等部の子たちにとっては、高等部の人はかなり憧れだもんね。
エリートの子たちは考えることが違うなぁ…。