チョコレート大作戦!
口の中に紅茶の甘い味がふわりと広がる。
一口飲んで、あたしはティーカップをテーブルに置いた。
「それで? 楓となんかあった?」
首を傾げてニコリと微笑む鈴さんに、あたしはゆっくりと話始めた。
「実は……」
「なるほどねぇ……」
全て話終えたあたしは、時間が経ってぬるくなってしまった紅茶を片手に静かに鈴さんが口を開くのを待つ。
「つまり、バレンタインで楓にあげるプレゼントで悩んでいる、ということね」
「はい……」
チョコレートじゃ、みんなと同じでつまらないからあたしはもっと他のもので楓に喜んでもらいたい。
だけど、一つ屋根の下で住むようになってからは楓に何か作ってあげたことはないし、楓の好きな食べ物さえ分からない。
それで楓の母親である鈴さんに相談に来たんだ。