半熟cherryⅡ
「…なに、それ…」
黙って俺と杉原のやりとりを見ていた茜が。
声を発する。
『…茜…?』
俺はその声に少し恐怖を感じ茜の名前を呼んでみる。
でも今の茜に俺の声なんか届くはずもなく。
茜は真っ直ぐに顔を上げ。
杉原に近寄った。
「杉原先生…それは教師の言葉ですか…」
少し肩を震わせ。
茜が言葉を発する声は。
低く重く。
床の下から沸き上がってくるような。
怒りを含んだ声だった。
…ヤバい。
コレはマジでキレてる…。
それに気付いてるのか気付いてないのか。
杉原は“フッ”と鼻で笑った。
「俺は一個人としてコイツが気に入らない。
教師とか生徒とか関係ない」
杉原がそう言い切ったとほぼ同時。
…パァン!!!!!
気持ちいいくらい乾いた音を立てて。
杉原の頬に茜の平手打ちがヒットした。