朝陽




緊張のあまり、抱えているぬいぐるみをぎゅうと握り締める平助。


あれ、素でやってるんだよね?



しかし。




べちゃっ




何もないところでつまずき、頭から転ぶ。




「・・・あちゃー。」


左之のあきらめの声。



しかし、平助はあきらめない。




涙目になりながらも、起き上がる。



しかし、座り込んでいる。立ち上がってはいない。




それでもがんばる。




顔を赤くしながら、涙目になりながら。



必死で喋る。



「・・・おにい、ちゃん・・・痛い・・・」




よほど痛かったのだろう。

額が赤い。


「遊ぼう。」の台詞が、「痛い」になっている。




けど何故か・・・エロい。エロい雰囲気が漂ってます。





え、何このフラグ・・・。





平助は涙目で立ち上がり、ステージ裏へと戻ってきた。




そして一言。



「・・・ごめん。」




周りは沈んだ雰囲気に包まれた。



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