ガラクタのセレナーデ
「真くん、ここで何してるの?」
 いろははもう一度、尋ねた。
 責めるような物言いに、真は恐る恐る視線を上げ、その目に涙を滲ませる。

「前にもココに入って……
 その時、このパソコンに面白いゲームがあるのを見付けたから、
 だから……」
 震える声で途切れ途切れ、それでも必死に答える真に、いろはの方がどう対処してよいのかわからず、ただ呆然と立ち尽くす。

 やがて、
「ごめんなさい」
 目を固く閉じて一気に言い切ると、真はいろはとすれ違うようにして、足早に部屋を出て行った。

 残されたいろはは何故か、見てはいけないものを見てしまった、そんな不安に襲われた。
 両手で自分の身体を抱くと、ブルリと身が震えた。
 寒い……



「菊島、ここで何してんだ?」
 背後からした声に振り返ると、いつの間にか箕浦が、いろはのすぐ後ろに立っていた。
 いつも穏やかで、時に冗談などを言っては場を和ます、そんな箕浦が、今まで見たこともないような、恐ろしい形相をしている。

 言いようのない恐怖で、いろはの悪寒は益々酷くなる。
「あの、私……
 箕浦さんに、お話が……」
 それでもなんとか、いろはは声を絞り出した。



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