ガラクタのセレナーデ
「センセーにいい物見せてやるよ」
 そう言って、腰をほんの少し浮かせて、ジーンズの後ポケットから、男は携帯電話を取り出した。

 画面を見ながら操作し、そして、いろはの目の前にそれをかざした。

 野々山美奈子の写真がいろはの視界を埋め尽くした。

 有坂という刑事に見せてもらったものと同じ、眠っているような美奈子。
 写された角度は違うが、それが同じ場所で取られたもの
 ――遺体の写真だということは、一目で察しがついた。

「どうしてあなたがこれを?」
 いろはは動揺を隠し切れず、おどおどと声を震わせ男に問う。

「さぁ? どうしてでしょう?」
 男は意味ありげに微笑んだ。

「あなたが……
 あなたが殺したの?」

「びっくりした?」
 男は満足そうに微笑む。

「あんたは何もわかってない。
 俺のことなんか、何一つ知りもしないで、
 『愛してる』なんてよく言うよ。
 アホくさ過ぎて笑う気もおこらねぇ。


 あんたは偽善者だ」




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