ガラクタのセレナーデ
「社長なら……
 多分社長室に」
 おずおずと瑞希が答えると、
「案内してもらえます?」
 そう言って有坂は、再び穏やかに微笑んだ。



「箕浦さん、刑事さんが見えてますけど……」
 言いながら、瑞希が社長室の扉を開ける。

 が、そこには誰も居なかった。

「おかしいな、いつも箕浦さん不在の時はここ、
 必ず鍵かかっているのに」
 瑞希は不思議そうに首を傾げた。

 だが有坂は、残念がる風でもなく、
「どこ行かれたんでしょうね」
 と相変わらずの笑顔を瑞希に向けた。



「箕浦センセー、
 知らない男の人が、センセーのこと探してる」

 不意に声を掛けられ、箕浦はビクリと身体を震わせた。
 箕浦は裏庭で、施設で飼っている犬の『チロ』と向かい合うようにしゃがみ込んいた。
 恐る恐る声のした方を振り向くとそこに、真が突っ立ったまま、不思議そうに箕浦を眺めていた。



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