ガラクタのセレナーデ
「その犬を、証拠品として押収します」
 有坂がそう告げると、捜査官二人が、どこからか颯爽と現れ、チロに近寄る。
 見知らぬ男に取り囲まれ、普段大人しいチロが、牙を剥いて威嚇した。


 真が捜査官の間をぬって、ゆっくりとチロに近付き、チロが繋がれているリードを小屋から外した。
「24時間以内に、排泄物に混じって出てくるさ」
 真は、そう言って微笑んだ。
「この食いしん坊め」
 そう言って、真がチロの頭をなでてやると、チロは嬉しそうに尾を振った。


 箕浦は、力なくその場に膝を落とした。


 その一部始終を見ていた瑞希が、突然喚き出した。
「何? どうなってんの?
 嘘、あれ、本当に真くん?
 まるで別人……

 菊島さんは?
 真くんとトイレに行ったっきり、見かけてないけど……
 こんな時に菊島さん、どこ行ったのよ、もう」







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