大金持ちと貧乏娘

俺のキモチ【修哉side】

俺は佐久間龍夜。
高校生になって
俺の周りは女子で埋め尽くされている。

キャーキャー

うるせぇ。
どうせみんな
俺の財産目当てだろう。
俺は世界でも有名なホテルオーナー
佐久間 満の息子。
子どものときから親に
「お前は跡取り息子だからきちんと勉強しなさい」
と言われてきた。

だから「少年時代」なんて一つも味わっていない。


友達もいないし
もちろん野球とか友達同士でやるようなことは
やっていない。



でも俺には一つだけできたことがあった。


それはサッカー。
サッカーだけはどうしても
やめることはできなかった。


中学生になって
河川敷で夜遅くまで練習するようになった。

その生活が1年ほど続いたある日。

リフティングの練習をしていた時
方向感覚が鈍って
少し遠くへ飛ばしてしまった。

「だりっ・・・」

もう今日は遅いし
帰ろうと思った。

草をかき分け行った先に

1つの段ボール箱と
それを見つめる1人の少女がいた。
中からはにゃーにゃーという声が聞こえる。
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