大金持ちと貧乏娘
「ねえねえ!優奈聞いてよ!!」

「うん。」

「あの人、佐久間修哉っていうんだって!!
 成績トップで合格してスポーツ万能!
 さらにあのルックス!」

あいつの話かぁ・・・

つまんない・・

「やばい!かっこよすぎ!!」


今までずっと一緒に通ってきたけど

こんなに加奈が興奮したことはなかった。

あ、もしかして・・・

思い切って聞いてみよ。


「ねぇ、加奈?」

「ん?」

「あのさ、もしかしてあいつのこと好き?」

聞いた瞬間加奈が真っ赤になった。

「あ、あのね・・」

「うん。」


「私、一目惚れしちゃったみたい・・」


やっぱりね。

「私、耐えられないかもしれない・・」

「何が?」

「あの周りの声。」

「え!」

何この反応・・

まさか・・

「私あの中に入ろうと思ってるんだけど・・」

「え!?」

うそ・・マジで?

あり得ない。

加奈ってこんな子だったけ?

いつだって一目惚れはなかった。

加奈は告られてもいつも断ってた。

結構モテてたけど

加奈が人を好きになるのって

初めてだと思う。
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