気まぐれ社長の犬

それから私たちはお洒落なカフェのテラスに座り私はチョコケーキと紅茶を、紅は紅茶のケーキとコーヒーを頼んだ。



「本当あなた甘いもの好きよね」


「甘いものっていうか、チョコね」


「それで脳を誤魔化してるんでしょ」



突然核心を付いた事を言うから、私の心臓が一瞬跳ねた。

あー…久桜さんにそこまで聞いてたかー…



「あなた高校時代からチョコは好きだったけど今ほど毎日食べてはいなかったわよね?今は脳を酷使する為に結構な量食べてるらしいじゃない」


「そんなに食べてないと思うんだけどなー?」



そのタイミングでウェイターがケーキと紅茶とコーヒーを持って来た。



「ウソ。久桜君から全部聞いてるんだからね」



見透かした様な眼差しを向けられ、溜め息が出る。

仕方ない。
紅には言うしかないかー…



「まあねーでも久桜さんにも言ったんだけど、これが私の居場所だから。私が居たいと思う場所だから。心配かけてごめん。これからもかけると思うでも…」


「はいはいわかったよ」



私の言葉を遮った紅はコーヒーを1口飲むと私を呆れたように見た。

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