気まぐれ社長の犬

「あなたの人生だし勝手にすればいいと思うよ。でも心配するのも私の勝手だから。勝手に心配させてもらうわよ。とりあえず言いたいことは…んー…どうせ無理だからいいや」


「えっ何よ?最後まで言ってよ」


「うるさいわねー。とりあえず、あんたにもしものことがあったら私はあの社長ぶった斬りに行くってことよ」


「はあ!?何言ってんのよ」



ケーキを食べる手をついに止める。

いや、響城さんなら…もしかしたら負けないかもしれない。

それを見るのも楽しいかも。



「まっそんなこと起こらない様祈るだけね」



それからは紅の仕事の話や最近あったことを話して別れた。

今から紅は久桜さんの所に行くそうだ。

自分の彼氏より先に会いに来てくれるなんて少し嬉しい。


私は高校時代部活の先輩だった染井久桜に恋をした。

そしてその初恋は人生初の失恋に変わった。

理由は紅が好きだから。

その後2人は付き合いだした。

最初紅は申し訳なさそうに謝ってきたけど私は笑顔でそれを許した。

大丈夫だよ、気にしないで。

何でも相談乗るから遠慮しないで、なんてかっこつけて言ったっけな。

案外それは本心だったしあの時そうした事を何も後悔してない。

寧ろ唯一の親友を失わずに済んで良かったと思ってる。

久桜先輩とも普通の関係でいられてる。

それに今は愛しい人がいる。

そんな今が、私は1番好きだ。

私は私の人生が間違っていなかったと、こういう時に思ったりする。


その帰りによく行くチョコレート専門店に行って私はそのまま家に帰った。





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