気まぐれ社長の犬

昨日まとめた荷物を持って、響城さんの部屋に入った。


手帳の紙を一枚破って、
“社長就任おめでとうございます。幸せな生活をありがとうございました。さようなら。妃和”

それだけ書いて買ったネクタイの下に置き、拳銃も一緒に机に置いて部屋を出た。


門を開けて外にでると、私は一度振り返った。



「ありがとうございました…」



小さな声でそう呟くと、また歩きだす。


はぁ……タクシーつかまえなきゃな。

でも帰りたくないよ……


キャリーバックのカラカラという音だけが響く中、突然隣に車が止まった。

中から出てきた数人の男たちは私を無理やり中に押し込もうとする。



「いやっ離して!!」



私は必死に抵抗するも、何か薬品の染みたハンカチで口を覆われると意識を失ってしまった。



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