永遠の翼

永遠の世界Ⅱ

白い世界・・・



永遠の世界。



わたしと彼は、ふたりで歩く。



見えたのは、子犬。



雪の中、横たわっている。



―――あの子犬は?



わたしは尋ねた。



―――ここは、永遠の世界なんだよ。



彼が、諭すように言った。



―――だから、あの犬も、ずっとあのまま。



―――何も変わらず、永遠にあのまま。



彼の言葉は、淡々としていた。



―――ずっと、あのままなの?



―――うん・・・



わたしの問いに、彼が頷く。



―――悲しいね・・・



わたしはひとり言のように呟いた。



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