クリスマス・ハネムーン【ML】
ぴぴっと。
赤毛の白人男が吹いた鼻血が、二、三滴、僕の頬に、ついた。
もちろん。
わざと派手に流血させたんだ。
僕には、一睨みで、相手を威嚇出来る程のいかつい顔も。
立ち上がるだけで、相手を萎縮させることの出来る、恵まれた体格もない。
でも。
何をしたら、圧倒的に多い敵を怯ませることが出来るか、は良く知っていた。
一撃、必殺の拳をまともに喰らい。
ぼとぼとと、血を流してひざまずいた白人男を横目で見ながら。
もう、ずいぶん前に封印したはずの。
僕の内側(なか)に居る『雪の王子』が立ち上がる。
「……佐藤」
「ははははいっ!」
もしかしたら。
僕らを取り囲んだヤツらよりも青ざめているらしい。
僕の視線を受けて、自然と、二、三歩下がる。
「……霧谷さんが、どこに居るかもう一度聞け」
「り、了解しましたっ!」
僕の要望にがくがくと頷いて。
佐藤が、裏返った声を張り上げる。
そんな僕らに、反発するみたいに。
傷ついた白人の横にいた、肌の褐色な男が飛びかかって来た。
そいつを床にたたきつけるように殴りつけると、僕はもっと低く声を出した。
「霧谷さんの居場所は、どこだ!」
「わわわっ!」
「WA~WAWAWA~!」
僕の殺気に、一番最初に逃げ出したのは、佐藤だった。
けれども。
僕は、そのことは、深く追求せずに。
逃げ遅れた敵グループの一人の首根っこを捕まえて、僕はぐい、と引っ張った。
「早く言え!
さもないと……!」
……一人くらい、殺してみせようか?
赤毛の白人男が吹いた鼻血が、二、三滴、僕の頬に、ついた。
もちろん。
わざと派手に流血させたんだ。
僕には、一睨みで、相手を威嚇出来る程のいかつい顔も。
立ち上がるだけで、相手を萎縮させることの出来る、恵まれた体格もない。
でも。
何をしたら、圧倒的に多い敵を怯ませることが出来るか、は良く知っていた。
一撃、必殺の拳をまともに喰らい。
ぼとぼとと、血を流してひざまずいた白人男を横目で見ながら。
もう、ずいぶん前に封印したはずの。
僕の内側(なか)に居る『雪の王子』が立ち上がる。
「……佐藤」
「ははははいっ!」
もしかしたら。
僕らを取り囲んだヤツらよりも青ざめているらしい。
僕の視線を受けて、自然と、二、三歩下がる。
「……霧谷さんが、どこに居るかもう一度聞け」
「り、了解しましたっ!」
僕の要望にがくがくと頷いて。
佐藤が、裏返った声を張り上げる。
そんな僕らに、反発するみたいに。
傷ついた白人の横にいた、肌の褐色な男が飛びかかって来た。
そいつを床にたたきつけるように殴りつけると、僕はもっと低く声を出した。
「霧谷さんの居場所は、どこだ!」
「わわわっ!」
「WA~WAWAWA~!」
僕の殺気に、一番最初に逃げ出したのは、佐藤だった。
けれども。
僕は、そのことは、深く追求せずに。
逃げ遅れた敵グループの一人の首根っこを捕まえて、僕はぐい、と引っ張った。
「早く言え!
さもないと……!」
……一人くらい、殺してみせようか?