カウントダウン


「ねぇ祐介、もしかしてお腹空いてて不機嫌だった?」


さっきまでの眉間の皺が、本当にスッキリなくなっていて、今は穏やかになってる。


だからと思ってそう言ったら、もぐもぐと口に食べ物を入れたまま赤くなった。

「俺が、んなガキみたいな理由で怒るかよ馬鹿じゃねぇの?元々のこーゆー顔だバカヤロウ」


「っわぁ!やだもー食べ物飛ばさないでよ。食べてから話して」



真っ赤になって必死になる姿を見て、私は図星さしたんだと確信。


イケメンとは思えないくらいのマナーの悪さはやっぱり健在だった。


まぁ、今のところゲップとかしてないけど。








「ねぇ祐介、私がここでバイトしてるの知ってたの?」




食事も落ち着いて、デザートを待ってる時に、ひとつの疑問を聞いてみた。



「ああ」


「……悠斗から、聞いたの?」



私の知らない悠斗の事。
悠斗は友達の話とか全然してくれないけど、実は友達には私の事話してくれている、とかだったらこの付き合ってた期間も無駄じゃなかったって思えるよ。




なのに、期待するだけ無駄だった。



「悠斗と付き合う前からバイトしてただろ?その頃から知ってた。同じ学校ってのも知ってたけど、まさかあの悠斗と付き合うとは思わなかった。てか、悠斗はあんまりアンタの話をしない。どっちかって言うとお気に入りのセフレの話ばっかりだよ」




切ったイチゴがたくさん乗ってるフルーツケーキが2つ。


並べられてオーダーを確認された頃、私は改めてデリカシーのない山崎祐介とはこの事だと確信した。





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