【短篇】こ い い ろ 。
「え、えぇ……なんで泣いてんだよ、圭子」
「ちょ、声でかい!あとうざい」
「一応慰めてやってんじゃん!ほら」
「目にゴミはいっただけだから」
「……そっか」
ああ、こいつ気づいているな。目にゴミなんか入ってないって事。
そういえば、さっきから私の背中をさする大きな手の感覚がする。
……って!
「どう考えてもブラの真上通過してませんか?あなたの手」
「あはは、バレちゃいましたか」
「うざい」
「いやあ、でも手は止まらないや」
なんて笑う金田の顔を思いきり叩いて(というより殴って)
私は教室から飛び出した。