ハネノネ ‐the world that you saved.‐
目を細めて見てみると、僕のポケットからたくさんの羽根が出てきて男を包んだ。
そのポケットは確かにチキュウから羽根を一枚取って入れた場所だが、こんなにたくさん取った覚えはない。
これはなに?
その羽根は男を包み込み、男は背中からみるみる羽根を生やした。
まるで、ハネノネの話の一部を切り取って再現したかのような。
物語どおり、男は僕を貫くはずだったナイフを自らに突き立てた。
ハネノネとは、あんなに生きることにしがみついていた男が、自らを殺してしまうほど威力があるものか。
恐らく無意識の行動なんだろう。
音のなくなったこの部屋から、徐々に調査隊の仲間たちの喜びの声が響いた。
「おまえ!やったなぁ!あの男を倒しちまうなんて!今回の手柄はおまえだぜ!」
僕の背中を力強く叩く、僕にノートをくれたこいつは、手柄に非常に敏感らしい。
ポケットに手を入れると、羽根は一枚も入っていなかった。