縦笛@ne.jp

『他のクラスで噂になってるんだけどね?あいつは怪しい男って聞くから気をつけたほうがいいよ。』


「えっ…」


『具体的な理由はわからないんだけどね。なんか良くない噂が流れてるんだって。』


そんなの信じるはずもなかった。


「あたし万俵くんが本当に好きなの♪万俵くんは少し謎めいてるけど、素敵な人だもん♪噂なんて信じないから!!」


『それよりさぁ、石田はどう?あいつ絶対に花子のこと好きだと思うんだよね?』


「石田?ないない!!!だってただの友達だもん!」


『ホラ?でもあいつずっごいイイ奴だし、花子の連絡先とか聞いてきたり、花子の好きな映画とか音楽とかよく聞いてくるよ!健気でイイじゃん!!!』


ふぅ…石田じゃないんだよ。万俵くんが好きなんだよあたしは。


いつの間に話題が石田のほうに反れているコトに気付いた。


確かに相談はしたけど、自分の意見を後押しするようなアドバイスでなければ受け付けない。


あたしは本当に勝手だ。


勝手な女だよね。


あーあ…応援してほしかったなぁ。

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