唇にキスを、首筋に口づけを
私は言われたとおり、完食後にトレイを外に出しておいた。
その外に出すと共に、とても長い廊下が目に入る。
・・・なんて長い廊下なの。
本当に、屋敷って感じ・・・。
廊下の幅も広いし。
私がいた部屋は暗くてよくわからなかったけど、天井がとてつもなく高いし。
好奇心が掻き立てられる。
・・・別に部屋から出るなと言われていたわけではないし。
いいよね・・・?
私はそう思って部屋から一歩飛び出した。
・・・!?
その瞬間に私の足元がよく見えてびっくりした。
私が着ているのは紫の美しいドレスだったのだ。
・・・え!?
な、なんでこんなの着てるんだろう・・・?
というか私の元の服は?
・・・私、着替えた覚えなんてない。
・・・なのにこれを着ている。
考えられる可能性・・・。
いや、考えたくない。考えない。
怖い怖すぎる。
・・・気にしないようにしよう。
私はそう自分に言い聞かせて歩き出す。
どっちに行けばいいんだろう・・・。
自分の部屋に帰れるかな・・・。
私はそんな不安を抱きながら徘徊を始めた。
トイレや階段、お風呂場なども見つけた。
お風呂はとてつもなく広くてバラがたくさん散りばめられていた。
本当に薔薇風呂なんてやる文化があるんだ・・・なんてしみじみと実感していた。
そしてまた廊下をキョロキョロしながら歩いていた時だった。
「君、とてもいい香りがするね・・・?」
そんな聞きなれない声とともに
背中から何か身体に巻きつく感じがした。
「・・・!?」
私は目を見開いた。