唇にキスを、首筋に口づけを



「ただいまー」



ジュンくんと別れて歩くこと約10分。



我が家に到着した。



・・・。



特に返答が帰ってくるわけでもない。



まだ、爽哉帰ってないか。



今、何時?



9時45分か・・・。



30分は帰ってこないかなあ。



よし、ゆっくりお風呂にでも浸かるか。




___________________________




私はお風呂に体を漬けながら考える。



ジュンくん、かあ・・・。



不思議だな。




偶然助けてもらって、



偶然すれ違って、



偶然私のバイト先に来て、



偶然帰りが一緒になって・・・。




なんだろ、この偶然の重なり。



怖いくらいだけど、


これが何かの縁なのかな?




所謂、運命、とか。




・・・、



ない、ないでしょ・・・!



うわあ、


何私ってば恥ずかしいこと考えてるんだろう。



ありえんてぃーですよ、はい、うん!



私は顔面を水面につけた。




そんなことをしていると、


お風呂にも持ち出してるケータイのバイブが鳴り響いた。







私はケータイを見る。



画面に映し出されていた名前。




ジュン・・・



ジュンくん・・・!?




あ、おう、嘘・・・、



このタイミングで?



私は一つ息を吸って、


私は一つ息を吐いた。



メールなのに。



単なるメールなのに。



私は受信ボックスを開いた。




___________



連絡先、ありがとう。


僕も今家に着いたよ。


うん、それだけだから。



おやすみ。



________________





ばくん、ばくん、



なんだか一文字一文字緊張してしまった。




取り留めもない内容。



なのに、なんでこんなに緊張が・・・!




うう、



らしくないなあ、私。



うう、とまた水面に顔をうずめた。



その時だ。




「ゆりなー」




脱衣所の外から私を呼ぶ声がした。







私は現実に引き戻されたような気分になった。



しまった、爽哉もう帰ってたんだ。



「ごめん、もうでるから」



私はそう言ってお湯からぬけた。




・・・、



体を拭きながら考える。



なに、浮かれたことかんがえてたんだ。



私は、結界師。



だから、私は男にうつつを抜かしている暇はない。



うん


と、私は頷いた。

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