執事と共にバレンタインを。
恵理夜は、春樹の手当てに使った絆創膏の包み紙で、折り紙を始めた。
――恵理夜の、考え事をするときの癖が始まったのだ。
「カトウという男の言動は、ひどく大雑把なものでしたね」
恵理夜は、小さな紙を器用に折り進めながら答えた。
「確かに、隅のチョコレートなんか取りはしないわ」
あの時のカトウはひどく興奮していた。
その興奮した手つきのまま、取ったチョコレートは――
「真ん中のチョコレートよ」
――恵理夜の、考え事をするときの癖が始まったのだ。
「カトウという男の言動は、ひどく大雑把なものでしたね」
恵理夜は、小さな紙を器用に折り進めながら答えた。
「確かに、隅のチョコレートなんか取りはしないわ」
あの時のカトウはひどく興奮していた。
その興奮した手つきのまま、取ったチョコレートは――
「真ん中のチョコレートよ」