執事と共にバレンタインを。
「それで、チョコレートが2粒余っていると言う訳ですね」


他は、全て配り終えた。


「食べる?」

「いえ……」


食べれないわけではないが、春樹は甘いものが得意ではなかった。

二個目を口にする元気はないのだろう。


「作れるのに食べれないって、不思議よね」


そう言いながら、恵理夜はフォークに刺したひとつを口に入れた。

ガナッシュに入ったブランデーの芳醇な香りと、周りを包むビターチョコレートが最高の組み合わせとなっていた。
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