執事と共にバレンタインを。
春樹は、驚きながらもそれを受け取った。

しかし、次の瞬間申し訳無さそうに頭を下げた。


「申し訳ございません、お嬢様。私からは、何も用意しておりませんでした」

「いいの」


恵理夜は、ようやくいつものように笑った。


「ホワイトデーの楽しみがあるもの」

「元々はなかった、日本や韓国の独特の文化ですがね」

「口実は、何でもいいのよ。楽しみにしているわ」


春樹は、恭しく頭を下げた。


「貴方が、望むなら」
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