執事と共にバレンタインを。
春樹は、深々と頭を下げた。


「大切に、使わせていただきます」

「でも、いつも着けてなくてもいいの」


春樹は、首を傾げた。


「……その手に、触れて欲しい時だってあるもの」


目を合わせずに恵理夜はぽつりと言った。
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