執事と共にバレンタインを。
「では、それまで大切に使いましょう」


春樹は、静かにその手袋をはめた。


「さあ、お嬢様、そろそろご就寝の時間でございます」


白い手袋をつけた手は、いつもよりはっきりと恵理夜の進むべき道を示していた。

なるほど手袋には、こんな意味があったのか、と思いながら恵理夜はその手が示す方へと足を向けた。


「さあ、」


その手は、しっかりと恵理夜の背に手を添え、導いた。

そしてその顔は、ひどく凛々しいものに見えた。
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