執事と共にバレンタインを。
「てめぇ、向こう一家のモンかっ」

「いいえ」


春樹は、ゆっくりと立ち上がった。


「私は、恵理夜様の執事です」


その慇懃な態度が、カトウの癪に触ったらしい。


「てめぇ、素手でここまで来て無事に帰れると思ってんのか」


と、凄みを見せる。

が、春樹は動じない。
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