花は香り 人は何?
「ところで馬車酔いは大丈夫?」
隣で気持ち悪そうにしているメイナは、さっきまで私よりもはしゃいでいたのに。
「ひめ、じゃなくてカ、カティは平気そうですね…」
「慣れてるもの。
まったく、さっき寝ておかないからよ。」
さすが、と返したメイナは本当に辛そうなので一旦横にならせる。
メイナは城下町から殆ど出た事がないらしい。
だから国外なんて初めてで。
まあはしゃいでしまう気持ちも分かる。
馬車に慣れていないうえ、この車はけっこう揺れが激しい。
どうやら下の地面も揺れの大きさに荷担しているようだ。
「さ、水を飲んで。」
「ありがとうございます。」