君に嘘を捧げよう

「今月体育祭だねっ、タクトとおんなじチームだし、わたし頑張る!」

「…うん、俺も…」

「タクトテンションひっくー」

だって俺、運動神経ホントに並だし。

アヤネをがっかりさせたくないなー…なんて思ってたり。

「でもタクトなら心配ないよ!」

「…?なんで?」

「だって小学校のとき陸上記録会で全国ランキング3位だったじゃん」

「…は?」

なんだって!?

「やだタクト、忘れちゃったの?」

いやいや、知ってるわけないでしょ!?

でもそんなこと本人だったら忘れてるわけないし…。

「…なに言ってんの!覚えてるに決まってるじゃん!?」

「だよねー」

…なんかヤバイ予感がしてきた…。
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