君に嘘を捧げよう

「…てなわけで、俺今ピンチだ」

「へー。てか『タクト』ってすごいなあ」

「なんでそんな無関心なの!?」

「…今朝の仕返しやねん」

昼のランチタイム。

俺はカイと学食で100円のメロンパンをかじっていた。

「んでさその、俺…どうしたらいいと思う?」

「まあ策はあるっちゃあるけどな」

「え!?教えてカイ様神様仏様!!」

「教えてやらんこともない。けどな…」

カイはメロンパンを一口かじってから言った。

「俺の言うこと一個聞いてくれたらなあ」

うわ、なんかロクでもないこと言いそう。

「体育祭の最強リレー参加しろ!」

「はあ!?」

「んでもって俺に追いこされろ!したらミワちゃんに俺のカッコええとこ見せれるやんけ!」

「……」

そういうのは頭いいな…。
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