君に嘘を捧げよう

俺は近くのコンビニに弁当を買いに行った。

焼肉弁当を一個買って家に帰る。

その途中。

「…あ」

肩までのショートカットの女の子。

「アヤネ」

かと思ったけどよく見たら人違いだった。

「…違った…」

急に寂しくなった。

やめろ、もう。アヤネは幸せなんだ。

俺は必要ない。

…けど…。

「俺にはアヤネが必要だよ…」

アヤネ1人居ないだけで、こんなに世界が違って見える。

いつも隣で笑ってくれてたのに、居ないだけでぽっかり穴が空いてしまったような。

寂しい。

「……っ」

俺はアヤネを騙してたんだから。

そんなこと思う資格なんてない。

アヤネに対する思いを振り払うように、俺は走った。
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