君に嘘を捧げよう
また同じ夢を見た。
きのうの、アヤネが泣いてる夢。
「…なんでっ…」
その次の日も、そのまた次の日も。
毎日、眠りにつく度見るようになっていた。
アヤネを忘れたい俺には悪夢だった。
それとも、自分の罪を忘れるなという神様のお告げなのだろうか。
アヤネに嘘をついていたという罪。
そして今日も見た。
「毎日一体なんなの…」
朝食を食べながら俺はつぶやいた。
「ちょっとタクト独り言!?ありえなーい、キモーい」
そういうのは高3の姉貴。
「ミナミやめなさい、タクトはね、そういうお年頃なの」
と母さん。
「思春期~?おっそーい」
「ウザいし」
「はあ!?それお姉様にいう言葉!?」
ケンカ腰になる姉貴。それをいっつも止めるのが母さんの役目の1つ。
「やめなさいっていったでしょ!2人とも今日から学校なんだから早くしなさい!」
ものすごい気迫に俺と姉貴はしり込みする。
「…はーい、アタシもう行くー」
「いってらっしゃい、遅刻しないでね」
「いってきまーす」
「タクトも早く行きな」
「はいはいっと」