莉亜と遊羽



急いでたから落としてきちゃったんだ


『あたしのテディベア…。あっ、ありがとう』



なんだ良い人か
良かったあ〜…


私が勝手に落ち着いていると


『てか電車…』


と呟きながら
男の子が指さす先には
今まさに発車しようとしている電車───。


『俺あれに乗るつもりだったんだけど』



かなり機嫌が悪そうに
私を見つめてくる


不覚にもドキドキしてしまった。
綺麗な黒目で
あまりにも澄んでみえたから──


整った顔は
なぜか怒ると迫力がある



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