君がいれば・・・①
シンが料理をテーブルに並べ終えると、瀬奈の体温計もピピッという音をたてて知らせた。



瀬奈が見る前に手が伸びて取り上げられた。



「37.5℃か・・・・・」



熱があるセナを抱いてしまい自己嫌悪だ。



「えっ?嘘……」



「食べたら眠った方がいい」



「37.5℃なら平熱に近いから大丈夫だよ?あたし平熱高いんだから」



「平熱が高いと言ってもせいぜい36.5℃位だろう?」



シンの手が瀬奈の額に置かれる。



「平気だよ あ……シン今日もお仕事だよね?」



「今日はジフンが調整してくれたから一日中一緒にいられるよ」



「本当に!?」



一日中一緒にいられると聞いて嬉しそうな瀬奈にシンが微笑む。



「だから午前中寝ていても大丈夫だろう?」



「……うん」



間を置いた返事だから瀬奈は納得していないようだ。


< 265 / 430 >

この作品をシェア

pagetop