君がいれば・・・①
「さあ、食べよう」



2人はテーブルについて食べ始めた。



やっぱり調子は良くないのだろう、いつも食欲が旺盛な瀬奈は食べる量が少ない。



コーヒーよりもりんごジュースを飲んでいる。



「昨日、ジンウクに何か言われた?」



「ジンウク?」



小首をかしげてシンに聞き返す。



「昨日ベンチで隣にいた男」



「思い出した……たしか男の人が隣に……でも何を言われたかわからないよ 韓国語だったし」



瀬奈は少し考えたが、あの時は具合が悪くて記憶にない。



考えてみればそうだ。



ジンウクは日本語が出来ない。



「わたしの事、最初は韓国人かと思ってたみたい」



唯一、セナの顔をジンウクは覚えているだろう。



韓国人ではない事も。



余計な事をマスコミに話されないうちに口止めしておかなければ。



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