お揃いの絆創膏【短編】
暗闇の中、ゆーやちゃんの手だけが頼りで僕は絶対に離さないようにしっかりと握っていた。
「ここだよ、おばちゃん家」
どれくらい歩いたかわからないけど、ゆーやちゃんの足が止まった。
確かに、見覚えがある家だ。
「…大和?」
暗闇の中、向こうの方から兄ちゃんの声が聞こえてきた。
「兄ちゃん…?」
懐中電灯の光でパッと照らされた。
僕の方を心配そうに見る兄貴の顔が見えた。
「心配したんだぞ!!急に居なくなるから」
「兄ちゃんが置いてくから。そしたら、ゆーやちゃんが送ってくれたんだ!!」
「ゆーやちゃん…?」
懐中電灯の光は、僕からゆーやちゃんへと照らされた。
「あ、やまとくんって永谷くんの弟だったんだね」
「神風さんか。ありがとう」
"かみかぜゆーや"ちゃん。
その日から、僕はその"かみかぜゆーや"ちゃんに夢中になったんだ。