僕の見つめる世界で。
「おーのくんっ!」
昼休み、僕はいつものように
いつも吊るんでいる仲間と
昼ご飯を摂っていた。
「何、小森」
内心、ドキンと心臓が脈を打つのがわかった。
「ちょっと来てよっ」
満面な笑みで前屈みになる
小森を見て、僕は頷きながら
後についていく。
着いたのはひと気のない渡り廊下。
「あのね!昨日聞いてたでしょう?」
何のこと?そうとぼけようかと思ったけれど、僕は頷いてしまった。
「やっぱり。でも小野くんならいっか」
いったい何のために僕をここへ連れ出したのか。
昨日のことと今から話すことは関係があるのか。
そんな疑問を心にしまい込み、小森の言葉を待つ。
「お願いがあるの。あたしと
暇なときデートして?」
上目遣いで言う小森に断る男なんていないと思った。