澤木さんのこと。
わんちゃんがいたのは、小さな公園だった。
ぶらんこしかない、小さな公園。
そこに入って行くと
「くぅ~ん」
段ボールに入ったわんちゃんが入っていた。
「可愛い~!!」
しゃがみ込んで子犬と同じ目線を合わせる。
茶色い、目のくりくりしたわんこ。
たぶん雑種かな。
段ボールの側面には「お願いします」と書かれた文字が。
多分、育てられなくて、仕方なくこの公園に捨てたんだ。
「お前も要らないって言われたの?」
優しく抱き上げて撫でてあげると
「くぅ~ん」
と気持ちよさそうな声を上げた。
「そっか、嬉しいんだね」
顔を近づけて鼻をくっつける。
「お前な、いなくなるならいなくなるって言えよ」
後ろから声がしたかと思えば、ぽんぽんと頭を優しく撫でられる。
「すみません」
良かった、怒ってはいないみたい。
一度澤木さんの方を見てから子犬の方に視線を直す。
「捨て犬か」
「はい」
そう答えてさっきよりもわんちゃんをきつく抱きしめる。
「この子も一人なんですよね」
「花梨・・」
「すみません、あたしってば..」
「人間なんて所詮一人で生きてくモンだろ?」
「え?」