澤木さんのこと。
「行くぞ」
「え、でもこの子」
「探すんだろ、里親になってくれそうな飼い主を。お前一人に任せたら
無理してぶっ倒れる事なんかお見通なンだよ」
「あたしの事なら何でも知っててくれるんですね」
「まぁな」
クスっと笑って、それから子犬を抱きしめたまま立ち上がる。
不安そうな瞳であたしを見つめるわんこ。
大丈夫だよ。
君の飼い主はきっと見つけてあげるからね。
「それじゃあよろしくお願いします」
ばいばい、心の中でそう言ってあたし達はわんこと別れた。
新しい飼い主さんは80歳のおばあさん。
息子さん家族と一緒に暮らしてるんだけど、お孫さんが大の犬好きで
丁度犬を捜していたんだって。
勿論、これは澤木さんの情報収集による結果。
やっぱり澤木さんってすごい人だな。
「あーあ・・可愛かったな~」