School

「…佐伯」

先生の澄んだ瞳。

澄んだ瞳に酔いそうになる。

私が嫌々と言い汚れてるのに気付かされる。

嫌になってそっと目を伏せた。

「おいで」

嫌だよ…。

行きたくないよ…。

先生も、大人も、信用できない。

なんだろう…?

この先生は違う…。

伏せた私の眼を見てる。

「先生…」

心を許してしまう。

「ん?」

傷付きたくないのに…。

「授業…」

苦しい思いをしたくないのに…。

「あぁ」

「…いってもいいよ」

言われた瞬間は頭の片隅にもなかった言葉。

「そうか」

教室に言ったことのない私の名前を知っている先生。

その場を後にした先生の後ろ姿。

「後から理科実験教室来い」

ふわりと舞う風がいたずらっぽく私の頬を撫でた。


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