School
授業と私
雲行きが怪しくなってきたし、
先生の言う理科実験教室に行こうかなと思い立ち上がる。
相変わらず頬を撫でる風。
キョロキョロしながら先生の居場所を探す。
「来たな」
「うわっ…先生」
びっくりした私を見て先生は笑っていた。
「残念だな…俺今から授業だ」
「…そう」
「佐伯も来い」
フワッと笑う先生。
かっこいいなと思う…。
「い…嫌」
「なら…ここにいるか?」
「え?」
「そんな甘いこと言うかよ。来い」
グイグイ腕を引っ張られる。
「痛い、痛いっ」
フラフラ歩いていく。
「黙ってついてこい」
澄んだ瞳とは違う、冷たい目。
廊下にいる女子生徒は、黄色い声で騒いでいた。
「あの…先生、お弁当作ったんです」
「いらない…道開けて」
冷静な声と表情。